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彗星(ほうき星)

 「彗星のように現れる」という言葉がありますが、まさに彗星は前触れなく夜空に現れる天体です。しかも、彗星の姿は普通の星とまったく違ってみえます。ぼんやりと広がった頭部と独特の尾を伸ばした姿のため、古代の人々は彗星を災いの前触れととらえて畏怖の目で見つめていたようです。また、「ほうき星」という呼び方も、彗星の尾を引いた姿からついた呼び名です。
 現代では新しい彗星の捜索に大型の望遠鏡が使われるようになり、毎年50個からそれ以上もの彗星が発見されています。しかし、その中で小型の望遠鏡でも見ることができる彗星はわずかです。望遠鏡がなくても肉眼で見ることができる彗星となるとさらに少なく、1年に1個あるかないか程度です。肉眼でもはっきりと分かるような長い尾を引いた彗星となると10年の間に2〜3個あればいいほうでしょう。
 彗星の中には、太陽のまわりを周期的に回るものもあります。このような彗星の仲間の中では、76年ごとに現れるハレー彗星が特に有名です。しかし、ニュースになるような大彗星はほとんどが新たに発見された彗星ですので、いつ現れるかの予測がつきません。
 彗星の本体は「汚れた雪だるま」のようなものだと考えられています。主な成分は氷と二酸化炭素や一酸化炭素で、そこに岩石質のかけらが混じっていると考えられています。 また、氷などの揮発成分が少なく「凍った泥団子」に近いものもあります。
 氷などの揮発成分は彗星が太陽に近づくと、太陽熱で溶けて激しく蒸発し、彗星独特の尾を形成します。尾は彗星の進行方向にかかわらず、太陽と反対方向に伸びます。