「うるう秒」が時々話題になります。時計を1秒遅らせて時刻の調整をするもので、最近では下の表のように行なわれています。うるう秒はいつ入るかあらかじめ予想できません。でも現在の時刻体系(協定世界時)を採用しているかぎり、この問題は避けられないのです。
昔は、地球の1自転=1日=24時間=86400秒 として1秒の長さを決めていました。地球ほど一定の決まった時間で回転するものが見当たらなかったからです。ところが精度が100億分の1秒という原子時計が実用化されると、実は1日の長さは決して一定ではなく、だんだん長くなる傾向にあることが分ってきました。地球自転をもとに決めた1秒の長さは決して一定の刻みではなかったのです。だからといって原子時計だけを使いつづけると、地球自転の変動によって長期的には正午にやっと太陽が昇ってくるということにもなりかねません。そこで、1秒の長さは原子時計ではかり、1日の長さは地球自転ではかることとして、両者が大幅にずれた時にはうるう秒を入れて調整するという協定世界時が誕生したのです(1972年)。
なお、うるう秒挿入はパリにある国際地球回転観測事業(IERS)により決定され、6カ月毎に発行されるブレテンCで公示されることになっています。
調整された年月日 | 調整量 |
---|---|
1980.1.1. | 1秒 |
1981.7.1. | 1秒 |
1982.7.1. | 1秒 |
1983.7.1. | 1秒 |
1985.7.1. | 1秒 |
1988.1.1. | 1秒 |
1990.1.1. | 1秒 |
1991.1.1. | 1秒 |
1992.7.1. | 1秒 |
1993.7.1. | 1秒 |
1994.7.1. | 1秒 |
1997.7.1. | 1秒 |
1999.1.1. | 1秒 |
2006.1.1. | 1秒 |