なぜ一年の始まりが1月1日なのか

 現行暦の1月1日は、気象学(季節等)から言っても天文学(太陽の周りを 回っている地球の位置等)から言っても、何ら意味のない時に置かれています。

これは、古代ローマ帝国の政治的習慣を引き継いだものなのです。

もともと古代ローマでは春分のあるマルチウス(マーチ、すなわち現行の3月) が一年の始まりでした。しかし、政治年度は新年の2ヶ月前から始まる慣習でした。 これでは面倒だ、というので、かのユリウス・カエサルがマルチウスの2ヶ月前にあ たるヤヌアリウス(ジャヌアリー、すなわち現行の1月)を一年の始まりと定めました (ユリウス暦)。

現行暦(グレゴリオ暦)はユリウス暦を改良したものです。1582年、ローマ法王 グレゴリオ13世によって提唱されました。それで、現在の1月1日が一年の始まりと なっているのです。


1年の始まりは春であるべきだいう考えもありますが、例えば3月は南半球では 秋です。世界中が春である時はありません。

また、日本では学校年度や会計年度は4月に始まりますが、アメリカでは7月に 始まります。一年の始まりがいつであるべきかは国や人によっていろいろ考え方が あるようです。

一年の始まりが何の意味もない現行の1月1日で良かった、とも言えるかもしれ ませんね。


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