----------------------------------------

世界3位の光学望遠鏡がファーストライト

望遠鏡は、細かい所を詳しく見る のと かすかな光を集める という2つの能力があります。ここで3位というのは後のほうで、かすかな光を集める、、つまりとても大きな反射鏡を備えた望遠鏡が完成し、初観測(ファーストライト)を行ったということなのです。

望遠鏡はHET(Hobby- Eberly Telescope)といわれるもので、アメリカのテキサス州の西にあるマクドナルド天文台にあります。運営はいくつかの大学の国際協力でおこなわれます。
光を集める鏡は11×10mの6角形をしていて、円盤に換算すると直径9.2mに相当します。これはハワイにある2台のケック望遠鏡の10mに次ぎ、世界3位となります。

ただし、この望遠鏡は覗くことはできません。もっぱら光を集めることに徹することで安く作り上げたのです。また、水平方向には動きますが、上下方向には動きません。その分は光の向きを変える鏡がフォローしますが、天の赤道の少し南から北側70度までの天体にしか対応できません。例えば、北極星はこの望遠鏡では観測できないのです。また、同じ天体を連続して12分以上は観測できません。

このように限られた能力しかない望遠鏡ですが、それでも、現代の天文学には十分に役にたちます。天体からの光を分けて詳細にデータを調べるスペクトル観測などには、鏡が固定されているために大きな機器を使え、かえって有利になります。

ちなみに、この望遠鏡のお値段は 1350万ドル 日本円で20億円弱です。 万能・高性能のすばる望遠鏡は400億円ですから、身を捨て実をとった といえるでしょう。もっとも、ハッブル宇宙望遠鏡は4000億円です。 それぞれにあったお金の使い方があるということで、 すばる望遠鏡が無駄遣いをしたわけではありません。

もっと詳しいことが知りたい方は、このページをみてください。 http://www.as.utexas.edu/mcdonald/het/het.html






【天文・宇宙】の話題
科学あれこれ
ホームページへ

----------------------------------------