海王星と冥王星の距離の逆転 |
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太陽系の惑星を、太陽から近い順に並べると、、水星・金星・地球・火星・木星・土星・天王星・海王星・冥王星となります。頭文字をとって、すい・きん・ち・か・もく・ど・てん・かい・めい、と覚えているかたもいらっしゃるでしょう。 しかし、少し天文に詳しい方は「実は今は、最後が てん・めい・かい」になっている。冥王星と海王星がいれかわっていることをご存じかと思います。これは、冥王星がかなりひしゃげた楕円軌道を描いているためで、冥王星が軌道上で太陽に近い場所にある時は、海王星の内側に入り込んでしまうのです。 この距離の逆転現象が続くのは20年間です。冥王星が太陽を一周するのは249年間ですから、とても珍しい時期にあたっていることになります。ちなみに、逆転がはじまったのは1979年の2月7日です。ただ、冥王星や海王星と太陽の間の距離は直接測定できません。そこでこうした値は、まずそれぞれの運動を表す数式を物理学の法則に基づいて作り、それから算出できた方向を観測結果と比較しながら式を厳密なものにしていって、算出するのです。この作業はNASA/JPLなどで行われておいます。その最新の式(DE405)に基づいて宇宙科学研究所の吉川氏が計算したところ、今年の2月11日に距離の逆転は解消されると出ました。 ちなみに、距離の差は1時間あたり2千kmも縮まります。しかし、海王星の直径が5万kmあるので(冥王星は2千km程度)、逆転は、まる1日間かけて起こることになります。1日以上細かい精度で計算するのは、あまり意味がないといえましょう。 なお、この現象についての説明が国立天文台・天文ニュースにもありますので、興味のある方は参考にしてください。 |