キトラ古墳の石室内で天文図発見 |
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3月6日、奈良県明日香村のキトラ古墳の石室内描かれた天文図が発見されました。キトラ古墳は7世紀末から8世紀初頭につくられた古墳で、調査は3月5、6日の二日間、盗掘孔から超小型CCDカメラを入れて行われ、天文図のほかに白虎、青龍の図も発見されました。 天文図は、赤道・内規(周極星の範囲)・外規(恒星が見える天域の限界)が同心円で、さらに黄道が赤道に交わるように描かれていて、さらに星もいくつか描かれていました。 その後、天文学史研究者がビデオ画像を解析した結果、天文図には参宿(オリオン座に相当)、伐(オリオン座に相当)、軍市(おおいぬ座付近)、野鶏(おおいぬ座付近)など、中国流の星座が描かれていることが確認されました。 古代の天文図は世界で発見されていますが、広範囲な天域の星が描かれている星図の例としてはキトラの天文図が一番古く、注目すべき発見とされています。 天文図の解析はその後も続けられ、黄道と赤道の交点(春分点、秋分点)が本来の位置から約45度ずれていると見られることや、同心円の直径比が不正確であることから、必ずしも科学的に正確ではないかもしれないとの見方がされています。 今後の調査結果が期待されます。 |